行政書士にホームページは必要?|4つの理由と、載せる内容・作り方

開業の準備を進めると、必ずと言っていいほど出てくるのが「ホームページって、本当に必要なの?」という迷いです。お金も手間もかかりますし、「うちみたいな一人事務所には大げさでは」と感じる方も多いでしょう。結論から言うと、これからの行政書士にとって、ホームページはほぼ必須に近い存在になっています。この記事では、その「なぜ必要なのか」を、できるだけ具体的に、正直にお話しします。理由に納得したうえで持つと、ホームページはぐっと生きた道具になります。
まず結論:これからの行政書士に、ホームページはほぼ必須
「必ず作らないと廃業する」という話ではありません。紹介や人づてだけで長くやってこられた先生もいます。ただ、これから開業する人、とくに人脈をゼロから作っていく50代からの開業では、自分を知ってもらう入口がどうしても要ります。その入口として、今いちばん費用対効果が高く、長く働いてくれるのがホームページです。まずは「なぜそう言えるのか」を、4つの理由に分けて見ていきましょう。
なぜ必要?① 依頼者は「まず検索する」時代だから
何か困りごとがあったとき、多くの人がまずスマホで検索します。「建設業許可 ○○市」「相続 遺産分割 行政書士」——こんなふうに、地域名や困りごとと一緒に専門家を探すのが当たり前になりました。このとき、検索して出てこない専門家は、候補にすら入りません。どれだけ実力があっても、見つけてもらえなければ相談は来ないのです。ホームページは、この「検索されたときに出会える場所」をつくる、いちばん基本的な仕組みです。

なぜ必要?② 24時間、あなたの代わりに説明してくれる
一人事務所では、あなたが動ける時間には限りがあります。日中は業務や役所回りで手一杯、という日も多いはずです。ホームページは、あなたが寝ている間も、休みの日も、あなたの代わりに仕事内容や料金の目安、人柄を伝え続けてくれます。いわば、疲れ知らずの営業担当です。問い合わせが来る前に、依頼者は多くの疑問をホームページで解消してくれるので、実際の相談もスムーズになります。
なぜ必要?③ 「信頼できる人か」を確かめる場所になる
行政書士に依頼するとき、依頼者は大切な書類や個人的な事情を預けます。だからこそ「この人は信頼できるだろうか」をとても気にします。名前を聞いたり紹介を受けたりしたあと、多くの人が名前で検索して、その人の情報を確かめます。このときにきちんとしたホームページがあれば、「どんな考えで、どんな仕事をしている人か」が伝わり、安心して一歩を踏み出してもらえます。逆に何も出てこないと、それだけで不安を感じさせてしまうこともあります。
なぜ必要?④ 専門分野で「見つけてもらえる」
行政書士の扱う業務はとても幅広く、依頼者は「自分の困りごとに詳しい人」を探しています。ホームページで自分の得意分野・力を入れている業務をはっきり打ち出すと、その分野で困っている人に見つけてもらいやすくなります。「何でもやります」より「建設業許可なら任せて」のほうが、必要としている人の心に届きます。専門を絞って発信できることも、ホームページの大きな強みです。

ホームページが「ない」と、どうなる?
少し逆から考えてみましょう。ホームページがないと、次のような「もったいない」が起こりがちです。
- 検索で見つけてもらえず、相談の入口そのものがない。
- 名刺を渡しても、あとでゆっくり調べてもらう場所がない。
- 紹介を受けても、確認先がなく、依頼者が不安のまま止まってしまう。
- 自分の専門や強みを、まとまった形で伝えられない。
どれも「今すぐ困る」わけではありません。でも、こうした小さな機会損失が積み重なると、開業初期のいちばん大事な時期に、出会えたはずの依頼者と出会えないままになってしまいます。
SNSやポータルサイトだけではダメ?
「SNSがあるから」「登録サイトに載せているから」で十分では、と思うかもしれません。SNSや各種ポータルは、たしかに入口として役立ちます。ただ、それらは他社の土地を借りている状態です。仕様変更やサービス終了、アカウント停止など、自分ではどうにもできない事情に左右されます。ホームページは自分の土地に建てた自分の家です。情報の載せ方も、伝え方も自由で、コツコツ育てた分がそのまま資産になります。SNSやポータルは「入口」、ホームページは「本拠地」——役割を分けて、両方を組み合わせるのが理想です。
「作っただけ」で終わらせないために
大事な注意点をひとつ。ホームページは、作ることがゴールではなく、育てることが本番です。開業のあいさつだけ載せて放置されたサイトは、残念ながらあまり力を発揮しません。何の専門家で、どんな困りごとに応えられるのかを具体的に書き、少しずつ役立つ情報を足していく。そうして初めて、検索でも信頼づくりでも効いてきます。では、具体的に何を載せればいいのか。ここからは、中身の決め方と作り方を見ていきます。
では、何を載せればいい?
ホームページに載せる内容は、単なる事務所紹介ではありません。読んだ人が「この人に頼めそうだ」と判断できる材料がそろっているかどうかが分かれ目です。最低限そろえておきたいのは、次の5つです。
- 事務所の紹介——どんな人が、どんな考えでやっているのか。顔と名前が見えると安心されます。
- 取り扱う業務の具体的な内容——「◯◯の手続きを代行できます」と、依頼者の言葉で書く。
- 料金の目安——金額が見えないだけで問い合わせをやめる人はとても多いです。幅があるなら「◯万円〜」でも構いません。
- 問い合わせ方法——電話・メール・フォームなど、相手が選べるように。
- お客様の声や事例——守秘義務に配慮したうえで、実際の流れが伝わる形で。
ここで気をつけたいのが、業務を並べすぎないことです。「なんでもできます」と書くほど、読み手には何屋さんか分からなくなります。「建設業許可ならお任せください」「相続手続きの専門家です」のように、入口をひとつに絞ったほうが、必要としている人にはよほど届きます。
40代・50代からでも、自分で作れます
「ホームページを作るなんて難しそう」と身構える方は多いのですが、いまは専門知識がなくても形にできる道具がそろっています。よく使われるのは次のあたりです。
| サービス | 向いている人 |
|---|---|
| とりあえずHP | パソコンが苦手。まず1ページだけ立ち上げたい人 |
| ジンドゥー(Jimdo) | テンプレートを選んで整った見た目にしたい人 |
| グーペ | お知らせや営業日も一緒に載せたい人 |
| WordPress | 記事を積み上げて長く育てたい人 |
かんたん作成サービスを見るなら
とりあえずHPを見る
ジンドゥー(Jimdo)を見る
グーペを見る
外注すれば数十万円かかることもありますが、自分で作れば費用を抑えられるだけでなく、あとから自由に直せるという大きな利点があります。開業直後は載せたい内容がどんどん変わるので、この「自分で直せる」がかなり効いてきます。凝ったデザインは後回しでかまいません。まずは名前・業務・料金・連絡先が載った1ページから始めましょう。
レンタルサーバーと独自ドメイン——WordPressを選ぶならここから
かんたん作成サービスなら申し込んだその日から書き始められますが、WordPressで作る場合はもう一段だけ準備が要ります。レンタルサーバーと独自ドメインです。ここでつまずいて止まってしまう方が多いので、順番に説明します。
レンタルサーバーは、ホームページのデータを置いておく場所です。土地を借りるイメージで、月額千円前後から借りられます。独自ドメインは、住所にあたるものです。このサイトでいう hiroyan.jp の部分がそれで、年に数千円かかります。サーバーの契約に付けて無料になるキャンペーンもよく見かけます。
サーバー選びで見ておくのは、次の4つで足ります。
- WordPressの簡単インストールがあるか。申し込みと同時に初期設定まで済ませてくれるものが多いです
- 無料の独自SSLがあるか。アドレスが
httpsで始まる状態にできます。ここがhttpのままだと、ブラウザに警告が出て一気に不安なサイトに見えます - 自動バックアップがあるか。何かあったときに戻せる保険です
- 電話やメールのサポートがあるか。慣れないうちは、これがいちばん助かります
逆に言えば、これ以上の機能はしばらく使いません。表示の速さは各社が競っているところなので、迷ったら速度をうたっているところを選んでおけば大きく外しません。契約前に、キャンペーン価格ではなく更新後の金額まで見ておいてください。
サーバーを比べるなら
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作り方は、大きく4つの手順だけ
「作り方」と言うと身構えますが、やることは多くありません。私が自分のサイトを立ち上げたときも、実際に手を動かしたのは半日ほどでした。
- ドメインを決めて取る。事務所名か、自分の名前か、業務名か。あとから変えられないので、ここだけは少し時間をかけて決めてください。短くて読みやすいものが正解です
- サーバーを契約して、WordPressを入れる。いまはほとんどのサーバーが、申し込みの画面でWordPressの設置まで済ませてくれます
- テーマ(デザインの型)を選ぶ。無料でも十分に整った見た目になります。私はLightningという無料テーマを使っています。有料テーマは、装飾のパーツが最初から用意されていて、記事を書くのが速くなるのが利点です
- 5つのページを書く。トップ、業務案内、料金、プロフィール、そして問い合わせ先。まずはこれだけで公開してかまいません
大事なのは、完成させてから公開しようとしないことです。完璧を目指すと、たいてい公開されないまま数か月が過ぎます。5ページで出して、あとから足していけば十分です。
有料テーマを検討するなら
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費用はどのくらいかかるか
金額はサービスやキャンペーンで変わりますし、年契約にすると割引が効くところがほとんどです。おおまかな帯だけ示しておきます。
| 作り方 | かかるお金の帯 | 向いている人 |
|---|---|---|
| かんたん作成サービス | 無料〜月額千数百円台 | とにかく早く形にしたい。記事は書かない |
| WordPressで自作 | サーバー月額千円前後+ドメイン年数千円(+有料テーマを使うなら買い切りで数千円〜) | 記事を積み上げて長く育てたい |
| 制作会社に外注 | 数十万円〜 | 本業に集中したい。開業後、余裕が出てから |
金額は2026年8月時点で各社の公式サイトに出ていた表示の幅をもとにしています。プランも価格も変わりますので、申し込む前に必ず各社の現行表示をご確認ください。
私の考えを正直に言うと、開業直後は自作でいいと思っています。理由は費用ではなく、載せたい内容が半年でごっそり変わるからです。取り扱う業務も、料金も、書きたいことも変わります。そのたびに外注先へ連絡して直してもらうのは、お金より時間の負担が大きい。自分で直せる状態にしておくほうが、結局は速く育ちます。
「伝わる」書き方のコツ
専門家はつい正確さを優先して書いてしまいますが、読み手が知りたいのは「自分は当てはまるのか」だけです。書き方をひとつ変えるだけで、伝わり方はずいぶん変わります。
◯「この手続きには3つの条件があります。あなたが当てはまるか、順に見ていきましょう」
専門用語を避け、短く区切り、相手の立場に置き換える。これだけで「話がわかる人だ」と感じてもらえます。長く書くことより、迷っている人の一歩を軽くすることを優先してください。
ホームページは、①検索で見つけてもらう入口、②休まず働く説明役、③信頼を確かめてもらう場所、④専門で選んでもらう舞台——という4つの役割を、まとめて担ってくれます。「必ず成功する」と言い切れるものではありませんが、これからの行政書士にとって、持っておく価値はとても大きいと言えます。まずは小さく始めて、あなたの言葉で、あなたの専門を、少しずつ育てていきましょう。その一歩が、最初の一件につながっていきます。
——ヒロやん

