行政書士の職印とゴム印|規則の決まりとサイズ・そろえる時期

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合格して登録の準備を始めると、意外と早い段階で「そろそろ印鑑を作らないと」という場面が来ます。行政書士にとって職印は、あれば便利という道具ではなく、業務で押すことが決まっている印です。ここでは、職印とゴム印を「いつ・どんなものを・どう選ぶか」を、根拠になる規定も添えて整理します。

職印は「必ず定める」もの——根拠は施行規則と会則

まず押さえておきたいのが、職印は好みで用意する印ではないということです。行政書士法施行規則には、次のように書かれています。

行政書士は、作成した書類に記名して職印を押さなければならない。(行政書士法施行規則第9条第2項)
行政書士は、日本行政書士会連合会の会則の定めるところにより、業務上使用する職印を定めなければならない。(同規則第11条)

領収証についても、規則第10条で「記名し職印を押して」交付することが定められています。つまり職印がないと、日々の書類も領収証も出せないということです。開業初日から使うものなので、登録手続きと並行して準備しておきたいところです。

形については、日本行政書士会連合会の会則第81条が「別記様式第一に準じて調製しなければならない」と定めています。実務では縦書きの正方形(角印)が基本です。

サイズは「所属する会」に確認するのが確実

ここが少しややこしいところで、具体的な寸法は所属する単位会(都道府県の行政書士会)によって案内が違います。たとえば東京都行政書士会は一辺15mm以上24mm以下、埼玉県行政書士会は18mmといった具合です。作ってから「サイズが合わない」となると作り直しになりますので、注文する前に、自分が入会する会の案内を必ず確認してください。ここだけは他人の記事を鵜呑みにしないほうがいい部分です。

書体と材質の選び方

書体は篆書体・印相体・隷書体あたりが一般的です。可読性を重視するなら隷書体、格式を重んじるなら篆書体、というくらいの感覚で選んで問題ありません。材質は、長く使うものなので柘(つげ)や黒水牛など、欠けにくい素材が無難です。何十年も使う道具なので、ここはケチらないほうが結果的に気持ちよく使えます。

登録時に「印鑑紙」の提出があります会則第81条第2項では、単位会の会員になった後、職印を押した印鑑紙に氏名を自署して提出することになっています。登録の書類を出すタイミングに間に合うよう、逆算して発注しておくと安心です。

職印を選ぶ

実際の商品でイメージをつかんでおくと、注文がぐっと早くなります。行政書士向けの角印は、書体・サイズを選んで彫ってもらう形が一般的です(楽天でもAmazonでも、お好きな方でどうぞ)。

行政書士の職印(黒水牛・角天丸18ミリ)

行政書士 職印(黒水牛・角天丸18ミリ)

黒水牛の芯持ち材で、欠けにくく長く使えるタイプ。18mmは多くの会の基準に収まりやすいサイズです。注文前に、必ず自分の会の寸法を確認してください。

机に書類・ファイル・ペンを並べた水彩イラスト
職印は、開業初日から毎日使う道具になります。

ゴム印は「時間を買う」道具

職印が義務なら、ゴム印は完全に実務の効率の話です。事務所名・氏名・所在地・連絡先といった情報を、封筒や領収証、職務上請求書などに何度も書くことになります。これを手書きで続けると、地味に時間を持っていかれますし、書き間違いも起きます。ゴム印は「毎日数分」を買い戻してくれる道具だと思ってください。

おすすめはセパレートタイプ

一枚板の一体型より、事務所名・氏名・住所・電話などをパーツごとに分けられるセパレートタイプが使いやすいです。理由は単純で、必要な行だけを組み合わせて押せるからです。封筒には住所と事務所名だけ、領収証には氏名も、というように使い分けられます。将来引っ越しや電話番号の変更があっても、該当するパーツだけ作り直せばすみます。

注意ゴム印は個人の連絡先を刷り込むものです。自宅開業の場合、どこまで住所を出すかは事前に決めておきましょう。作ってしまうと変更に手間もお金もかかります。
事務所情報を分割して押せるセパレート式ゴム印

セパレート式 ゴム印(住所・氏名などを組み合わせて使えるタイプ)

行ごとに分かれているので、封筒・領収証・請求書で使う組み合わせを変えられます。開業時にそろえておくと、事務作業がかなり楽になります。

整った事務所の机まわりと観葉植物、朝の光の水彩イラスト
道具がそろっていると、開業初日の動きが落ち着きます。

いつ発注する?——登録待ちの時間がちょうどいい

登録の申請から名簿への登録までは、おおむね1〜2か月ほどかかります。この「待っている期間」が、道具をそろえるのにちょうどいい時間です。職印は彫るのに数日から1週間程度、ゴム印も同じくらい見ておくと安心です。ぎりぎりに慌てるより、登録の書類を出したあたりで発注しておくと、登録が下りたその日から動き出せます。

準備するもの位置づけ用意する時期の目安
職印(角印)規則で押すことが定められている登録申請と並行して発注
ゴム印(セパレート式)実務効率のための道具事務所名・住所が確定してから
実印・銀行印契約や口座開設で使う屋号・口座を決めたあと

まとめ

職印は、行政書士法施行規則と日行連会則で「定めて、押すもの」とされている道具です。まずサイズと様式を所属予定の会に確認し、登録の待ち時間のうちに発注しておく。ゴム印は義務ではありませんが、セパレート式をそろえておくと、開業後の事務作業が目に見えて軽くなります。どちらも一度作れば長く使うものなので、焦らず、でも早めに動いておきましょう。

あわせて読みたい開業準備の全体像は「50代から行政書士で開業する完全ガイド」、登録の手順と費用は「行政書士の登録手続きの実際」にまとめています。

——ヒロやん

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