行政書士のSNS活用|X・Facebook・Instagramの使い分け

「SNSもやったほうがいいですか」とよく聞かれます。答えは「やったほうがいいけれど、期待の仕方を間違えないこと」です。SNSは看板ではなく、人となりを知ってもらう場所。ここでは、媒体ごとの向き不向きと、無理なく続けるための考え方を整理します。

SNSに何を期待するか、先に決める

いちばんよくある失敗は、「投稿すれば依頼が来る」と思って始めてしまうことです。SNSからいきなり依頼が入ることは、まずありません。SNSの役割は、次の3つだと考えてください。

  • 存在を知ってもらう——検索で見つからなくても、流れてきた投稿で名前を覚えてもらえる
  • 人となりを伝える——依頼するかどうかは、最後は「この人なら」で決まります
  • ホームページへ運ぶ——詳しい話は自分のサイトで、が基本の流れです

つまりSNSは入口で、受け皿はホームページ。この役割分担を最初に決めておくと、投稿の内容も自然と定まります。

X(旧Twitter)|速報性とつながり

情報の流れが速いので、法改正や制度の変更をいち早く伝えるのに向いています。手短に要点を書いて、詳しい解説はホームページの記事へ誘導する。この形が回しやすいです。

使い方の例

  • 法改正や新しい制度について、要点を短くまとめて発信する
  • 「#相続」「#建設業許可」など、関心のある人に届くタグを添える
  • 同業の行政書士とつながる——情報が入るようになり、案件の紹介につながることもあります
  • 日々の仕事の様子を、守秘義務に触れない範囲で書く
気をつけたいこと個別の相談にその場で回答するのは避けてください。前提条件が分からないまま断定すると、誤った案内になりかねません。「一般論としては」と断ったうえで、詳しくは相談へ、という形が安全です。当然ながら、依頼者が特定できる内容は絶対に書かないこと。
机をはさんで穏やかに相談する二人の水彩イラスト
SNSは入口。受け皿はホームページに置いておく。

Facebook|地域と実名のつながり

実名で使っている人が多く、地域のつながりや同業・他士業との交流に向いています。前職の人脈がそのまま残っている人にとっては、開業の報告からそのまま相談につながることもあります。

  • 事務所のページを作り、業務内容と連絡先を整理して置いておく
  • 法改正や制度の解説を投稿する
  • 行政書士や士業のグループに参加して、情報を得る・共有する
  • セミナーや相談会を開くときの告知に使う

Instagram|「見て分かる」を届ける

写真や図が中心のSNSです。文章では読まれにくい内容も、1枚の図にすると届きます。たとえば「相続手続きの流れ」「建設業許可の要件チェック」を図にして投稿する、という使い方です。

  • プロフィールに業務内容とホームページのリンクを置く
  • 手続きの流れや注意点を、図解にして投稿する
  • セミナーやイベントの告知に使う
  • ストーリーズで、日々の様子を軽く伝える

全部やらなくていい

ここまで3つ挙げましたが、全部に手を出す必要はまったくありません。むしろ、更新が止まったアカウントが3つ並ぶほうが印象を損ないます。

選び方の目安文章を書くのが苦にならない → X/前職の人脈が地元にある → Facebook/図やデザインを作るのが好き → Instagram。まず1つだけ選んで、3か月続けてみる。それで手応えを見てから増やすかどうかを決めれば十分です。
若い芽に水をやる手元の水彩イラスト
1つを、無理のないペースで。それで十分です。

続けるためのコツ

いちばん大事なのは、ネタを毎回ひねり出さない仕組みを作ることです。ホームページに記事を書いたら、その要点を切り出して投稿する。窓口で聞かれたことをメモしておいて、あとで一般化して投稿する。本業の副産物で回すと決めておけば、負担になりません。

反応が少なくても気にしないでください。フォロワー数より、困っている一人に届くかどうかのほうが、この仕事では意味があります。

まとめ

SNSは、依頼を直接生む道具というより、知ってもらい、人となりを伝え、ホームページへ運ぶための入口です。媒体ごとの向き不向きを踏まえて1つ選び、本業の副産物で無理なく続ける。それだけで、名刺以外の接点がひとつ増えます。まずは、いま自分がいちばん使いやすいものから始めてみてください。

あわせて読みたい受け皿になるホームページは「行政書士にホームページは必要?」、特定業務の入口としてのLPは「士業のランディングページ(LP)とは」、最初の一件の取り方は「行政書士の最初の受注」にまとめています。

——ヒロやん