行政書士の最初の一件をココナラで|仕組み・手数料・出品の条件と業際

窓辺の木の机でノートパソコンに向かう人の水彩イラスト

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登録は済んだ。事務所の形もできた。でも、依頼が来ない。開業してしばらくは、たいていここで止まります。この記事では、最初の一件を取る場所としての「ココナラ」を、仕組みから丁寧に見ていきます。行政書士が出品するには条件があり、出していい仕事とそうでない仕事の線もあります。そこまで含めて書きます。

机に向かって書類を書いている人の水彩イラスト
目次(全9項目)
  1. ココナラとは、どういう場所か
  2. お金の話——手数料は安くありません
  3. 行政書士が出品するには、条件があります
  4. 実際に、何が売られているのか
  5. 出していいもの、出してはいけないもの
  6. 最初の一件に向いている、三つの理由
  7. その代わり、覚悟しておくこと
  8. 出すと決めたら、この順番で
  9. まとめ

ココナラとは、どういう場所か

ひとことで言えば、「自分のスキルを商品として並べておく、オンラインの市場」です。株式会社ココナラが運営しています。

ふつうの通販と違うのは、並んでいるのがモノではなく「人ができること」だという点です。イラストを描く、動画を編集する、占う、相談に乗る——そういうサービスが1件ずつ商品として登録されていて、買う人は気に入ったものを選んで購入します。

やりとりの流れ

  1. 出品する。「〇〇を作ります」というページを自分で作ります。価格も自分で決めます。
  2. 購入される。買い手が代金を支払います。この時点では、お金はココナラが預かります。
  3. トークルームで打ち合わせる。購入されると、その取引専用のやりとりの場が開きます。ここで必要な情報をもらいます。
  4. 納品する。できたものを渡します。
  5. 購入者が完了にする。ここで初めて、代金が売上として自分のものになります。
  6. 評価がつく。これが次の依頼につながります。
ここが大きい代金を先に預かる仕組みになっています。納品したのにお金がもらえない、という事故が起きにくい。開業したてで与信の判断ができないうちは、これは想像以上にありがたい仕組みです。
相手の話を丁寧に聞いている人の水彩イラスト

お金の話——手数料は安くありません

ここは最初に知っておいてください。ココナラの公式ヘルプによると、出品者が負担する販売手数料は22%(税込)です。ビデオチャットのサービスは27.5%(税込)

1万円で売れたら、手元に残るのは7,800円という計算になります。

正直に安くはありません。ただ、この22%には「見つけてもらう」ぶんが入っています。自分でサイトを作り、検索に載るまで育て、問い合わせを待つ——その時間と労力を、最初のうちは買っていると考えると、意味が変わってきます。ずっとここで受け続ける前提の話ではありません。
書類と電卓を前に考えている場面の水彩イラスト

行政書士が出品するには、条件があります

ここがいちばん大事なところです。ココナラは、士業の出品を「なんとなく黙認している」わけではありません。公式ヘルプに、はっきり書かれています。

「資格を要するサービスについて」というページで名指しされているのは、行政書士・社会保険労務士・税理士・司法書士・弁理士の五つです。

そして、独占業務にあたるサービスを出すには、次の二つが求められています。

  • プロフィールページに、資格の登録番号・所属会など、資格の有無が確認できる情報を明記していること。
  • 本人確認の手続きが完了していること。

逆に言えば、これを満たせば堂々と出せるということです。登録番号を書くのは気が引ける、という方がいますが、これは名刺に書くのと同じことです。むしろ書いていない士業の出品のほうが、買う側からは不安に見えます。

許認可の書類を作成している場面の水彩イラスト

実際に、何が売られているのか

ココナラには「行政書士への依頼・相談」というカテゴリがあります。カテゴリの説明には実績9,000件超とあり、実際に並んでいるのは、こういうものです。

分野出品されているもの
契約書業務委託契約書、コンサルティング契約書、代理店契約書、不動産賃貸借契約書、利用規約
許認可古物商許可、建設業許可、酒販免許
書面作成内容証明郵便の作成、示談書、誓約書、遺産分割協議書
会社関係電子定款の作成・認証
その他在留資格(ビザ)の手続、相続手続、家系図の作成、補助金の関係書類

価格帯は、記事を書いている時点で3,000円から140,000円まで。多いのは6,000円〜13,000円あたりです。

この幅を見て、どう思われたでしょうか。私は「思ったより現実的だ」と感じました。数千円のものは相談や単発の書面、数万円のものは許認可一式。ふだんの報酬額の感覚と、そう離れていません。

執筆時点の数字です手数料も価格帯も、変わります。実際に出す前に、必ずご自分で最新の表示をご確認ください。
必要な書類を机に並べた水彩イラスト

出していいもの、出してはいけないもの

場所が変わっても、業際は変わりません。ココナラだから許される、ということはひとつもありません。

=出せる=条件つき×=出せない

出品しようとしているもの可否根拠
許認可の申請書類の作成行政書士法1条の3第1項
契約書・利用規約・遺産分割協議書の作成権利義務に関する書類(同)
内容証明郵便の作成作成は可。紛争になっている案件は弁護士法72条の領域
定款の作成・電子定款行政書士法1条の3第1項
会社の設立登記の申請×司法書士法3条1項1号・73条1項
相続登記の申請×同上
裁判所に出す書類の作成×司法書士法3条1項4号・73条1項
法律相談・示談交渉×弁護士法72条
税務相談・申告書の作成×税理士法2条1項・52条
労働社会保険の申請書の作成・提出代行×社会保険労務士法2条1項・27条

気をつけたいのは、「定款は作れるが登記は出せない」という組み合わせです。会社設立をひとまとめの商品にすると、うっかり登記まで含んでしまいます。商品説明に「登記は提携司法書士が対応します」と書いておくのが、いちばん安全で、買う側にも親切です。

業際の全体像は、こちらで条文から整理しています。→ 行政書士の独占業務とは|業際を条文で確かめる

専門家どうしが打ち合わせている水彩イラスト

最初の一件に向いている、三つの理由

1. 集客をしなくていい

開業してすぐの一番の壁は、実力ではなく「知られていないこと」です。ココナラには、すでに探している人がいます。自分のサイトが検索に載るまで半年かかるとして、その半年をどう過ごすか、という話です。

2. 小さく試せる

いきなり許認可一式を受けるのは怖い。でも「内容証明を1通」なら受けられる。金額が小さいぶん、失敗したときの傷も小さい。実務は、やらないと身につきません。その最初のきっかけとしては、ちょうどいい大きさです。

3. 評価が実績になる

これがいちばん大きいかもしれません。「実績0件です」と「10件、評価4.9です」では、次の依頼者の反応がまるで違います。自分のサイトに書く「実績」も、ここで積んだものから書けるようになります。

小さな芽が育っていく水彩イラスト

その代わり、覚悟しておくこと

  • 手数料22%は、ずっと払い続けるには重い。ここを入口にして、自分のサイトへ移していく前提で考えたほうがいいです。
  • 価格競争がある。安さで勝とうとすると消耗します。「どこまでやるか」を細かく書いて、質で選ばれるほうが続きます。
  • サイトの外へ誘導するのは禁止されています。ココナラの出品禁止サービスに「ココナラ外での取引を促すサービス」が挙げられています。取引の途中で「直接やりましょう」は、規約違反です。
  • 規約は運営側の都合で変わります。ここだけに依存しない。これは事業として当然の話です。

まずは見てみるココナラ(公式サイト)を見てみる

出すと決めたら、この順番で

  1. 会員登録と本人確認を済ませる。士業の出品には本人確認の完了が必要です。
  2. プロフィールに登録番号と所属会を書く。これも公式に求められている条件です。
  3. 一つだけ出す。あれこれ並べない。自分がいちばん自信のあるものを、まず一つ。
  4. 「やること」と「やらないこと」を商品説明に書く。登記や税務は含まない、と明記する。これが業際の事故を防ぎます。
  5. 納期を長めに書く。最初は必ず思ったより時間がかかります。

いちばんよくないのは、完璧な商品ページを作ろうとして、いつまでも出さないことです。評価は出してからしか付きません。

まとめ

  • ココナラは代金を先に預かる仕組みのスキル市場。納品→完了で売上になる。
  • 販売手数料は22%(税込)、ビデオチャットは27.5%(税込)。安くはないが、集客のぶんと考える。
  • 行政書士の出品には条件がある。プロフィールに登録番号・所属会を明記+本人確認の完了。
  • 「行政書士への依頼・相談」カテゴリは実績9,000件超。価格は3,000円〜140,000円、多いのは6,000〜13,000円。
  • 場所が変わっても業際は変わらない。登記・裁判所提出書類・法律相談・税務・労務は出せない。
  • 入口として使い、自分のサイトへ移していく。ずっとここで受け続ける前提にはしない。
この記事の一次情報手数料・出品条件・出品禁止サービスは、ココナラが公開しているヘルプページの記載にもとづきます(2026年8月時点)。行政書士のカテゴリの実績件数・価格帯は、同カテゴリページの表示によります。行政書士法・弁護士法・司法書士法・税理士法・社会保険労務士法の条文は、e-Gov法令検索の法令APIで取得して確認しました。手数料・規約・価格帯は変わります。実際に出品する前に、必ずご自分で最新の内容をご確認ください。

——ヒロやん