行政書士の最初の一件をココナラで|仕組み・手数料・出品の条件と業際

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登録は済んだ。事務所の形もできた。でも、依頼が来ない。開業してしばらくは、たいていここで止まります。この記事では、最初の一件を取る場所としての「ココナラ」を、仕組みから丁寧に見ていきます。行政書士が出品するには条件があり、出していい仕事とそうでない仕事の線もあります。そこまで含めて書きます。

目次(全9項目)
ココナラとは、どういう場所か
ひとことで言えば、「自分のスキルを商品として並べておく、オンラインの市場」です。株式会社ココナラが運営しています。
ふつうの通販と違うのは、並んでいるのがモノではなく「人ができること」だという点です。イラストを描く、動画を編集する、占う、相談に乗る——そういうサービスが1件ずつ商品として登録されていて、買う人は気に入ったものを選んで購入します。
やりとりの流れ
- 出品する。「〇〇を作ります」というページを自分で作ります。価格も自分で決めます。
- 購入される。買い手が代金を支払います。この時点では、お金はココナラが預かります。
- トークルームで打ち合わせる。購入されると、その取引専用のやりとりの場が開きます。ここで必要な情報をもらいます。
- 納品する。できたものを渡します。
- 購入者が完了にする。ここで初めて、代金が売上として自分のものになります。
- 評価がつく。これが次の依頼につながります。

お金の話——手数料は安くありません
ここは最初に知っておいてください。ココナラの公式ヘルプによると、出品者が負担する販売手数料は22%(税込)です。ビデオチャットのサービスは27.5%(税込)。
1万円で売れたら、手元に残るのは7,800円という計算になります。

行政書士が出品するには、条件があります
ここがいちばん大事なところです。ココナラは、士業の出品を「なんとなく黙認している」わけではありません。公式ヘルプに、はっきり書かれています。
「資格を要するサービスについて」というページで名指しされているのは、行政書士・社会保険労務士・税理士・司法書士・弁理士の五つです。
そして、独占業務にあたるサービスを出すには、次の二つが求められています。
- プロフィールページに、資格の登録番号・所属会など、資格の有無が確認できる情報を明記していること。
- 本人確認の手続きが完了していること。
逆に言えば、これを満たせば堂々と出せるということです。登録番号を書くのは気が引ける、という方がいますが、これは名刺に書くのと同じことです。むしろ書いていない士業の出品のほうが、買う側からは不安に見えます。

実際に、何が売られているのか
ココナラには「行政書士への依頼・相談」というカテゴリがあります。カテゴリの説明には実績9,000件超とあり、実際に並んでいるのは、こういうものです。
| 分野 | 出品されているもの |
|---|---|
| 契約書 | 業務委託契約書、コンサルティング契約書、代理店契約書、不動産賃貸借契約書、利用規約 |
| 許認可 | 古物商許可、建設業許可、酒販免許 |
| 書面作成 | 内容証明郵便の作成、示談書、誓約書、遺産分割協議書 |
| 会社関係 | 電子定款の作成・認証 |
| その他 | 在留資格(ビザ)の手続、相続手続、家系図の作成、補助金の関係書類 |
価格帯は、記事を書いている時点で3,000円から140,000円まで。多いのは6,000円〜13,000円あたりです。
この幅を見て、どう思われたでしょうか。私は「思ったより現実的だ」と感じました。数千円のものは相談や単発の書面、数万円のものは許認可一式。ふだんの報酬額の感覚と、そう離れていません。

出していいもの、出してはいけないもの
場所が変わっても、業際は変わりません。ココナラだから許される、ということはひとつもありません。
○=出せる△=条件つき×=出せない
| 出品しようとしているもの | 可否 | 根拠 |
|---|---|---|
| 許認可の申請書類の作成 | ○ | 行政書士法1条の3第1項 |
| 契約書・利用規約・遺産分割協議書の作成 | ○ | 権利義務に関する書類(同) |
| 内容証明郵便の作成 | △ | 作成は可。紛争になっている案件は弁護士法72条の領域 |
| 定款の作成・電子定款 | ○ | 行政書士法1条の3第1項 |
| 会社の設立登記の申請 | × | 司法書士法3条1項1号・73条1項 |
| 相続登記の申請 | × | 同上 |
| 裁判所に出す書類の作成 | × | 司法書士法3条1項4号・73条1項 |
| 法律相談・示談交渉 | × | 弁護士法72条 |
| 税務相談・申告書の作成 | × | 税理士法2条1項・52条 |
| 労働社会保険の申請書の作成・提出代行 | × | 社会保険労務士法2条1項・27条 |
気をつけたいのは、「定款は作れるが登記は出せない」という組み合わせです。会社設立をひとまとめの商品にすると、うっかり登記まで含んでしまいます。商品説明に「登記は提携司法書士が対応します」と書いておくのが、いちばん安全で、買う側にも親切です。
業際の全体像は、こちらで条文から整理しています。→ 行政書士の独占業務とは|業際を条文で確かめる

最初の一件に向いている、三つの理由
1. 集客をしなくていい
開業してすぐの一番の壁は、実力ではなく「知られていないこと」です。ココナラには、すでに探している人がいます。自分のサイトが検索に載るまで半年かかるとして、その半年をどう過ごすか、という話です。
2. 小さく試せる
いきなり許認可一式を受けるのは怖い。でも「内容証明を1通」なら受けられる。金額が小さいぶん、失敗したときの傷も小さい。実務は、やらないと身につきません。その最初のきっかけとしては、ちょうどいい大きさです。
3. 評価が実績になる
これがいちばん大きいかもしれません。「実績0件です」と「10件、評価4.9です」では、次の依頼者の反応がまるで違います。自分のサイトに書く「実績」も、ここで積んだものから書けるようになります。

その代わり、覚悟しておくこと
- 手数料22%は、ずっと払い続けるには重い。ここを入口にして、自分のサイトへ移していく前提で考えたほうがいいです。
- 価格競争がある。安さで勝とうとすると消耗します。「どこまでやるか」を細かく書いて、質で選ばれるほうが続きます。
- サイトの外へ誘導するのは禁止されています。ココナラの出品禁止サービスに「ココナラ外での取引を促すサービス」が挙げられています。取引の途中で「直接やりましょう」は、規約違反です。
- 規約は運営側の都合で変わります。ここだけに依存しない。これは事業として当然の話です。
まずは見てみるココナラ(公式サイト)を見てみる
出すと決めたら、この順番で
- 会員登録と本人確認を済ませる。士業の出品には本人確認の完了が必要です。
- プロフィールに登録番号と所属会を書く。これも公式に求められている条件です。
- 一つだけ出す。あれこれ並べない。自分がいちばん自信のあるものを、まず一つ。
- 「やること」と「やらないこと」を商品説明に書く。登記や税務は含まない、と明記する。これが業際の事故を防ぎます。
- 納期を長めに書く。最初は必ず思ったより時間がかかります。
いちばんよくないのは、完璧な商品ページを作ろうとして、いつまでも出さないことです。評価は出してからしか付きません。
まとめ
- ココナラは代金を先に預かる仕組みのスキル市場。納品→完了で売上になる。
- 販売手数料は22%(税込)、ビデオチャットは27.5%(税込)。安くはないが、集客のぶんと考える。
- 行政書士の出品には条件がある。プロフィールに登録番号・所属会を明記+本人確認の完了。
- 「行政書士への依頼・相談」カテゴリは実績9,000件超。価格は3,000円〜140,000円、多いのは6,000〜13,000円。
- 場所が変わっても業際は変わらない。登記・裁判所提出書類・法律相談・税務・労務は出せない。
- 入口として使い、自分のサイトへ移していく。ずっとここで受け続ける前提にはしない。
——ヒロやん
