兼業・副業で始める行政書士|会社員・年金世代の「小さく開業」のリアル

「いきなり独立は不安。まずは今の仕事を続けながら、少しずつ始められないか」——50代からの開業では、この「兼業・副業でスタート」がとても現実的な選択肢になります。ここでは、会社員や年金世代が兼業で行政書士を始めるときの、できること・できないこと・気をつけることを正直に整理します。
結論:会社員の「副業」としてなら、始められる
まず結論から。行政書士法そのものには、兼業を一般的に禁止する規定はありません。民間企業の会社員が、勤めを続けながら行政書士として登録・開業することは、法律のうえでは可能です。実際、定年前から準備を兼ねて登録し、少しずつ動き出す人もいます。ただし「できる」と「うまくいく」は別で、いくつか条件があります。
会社員は、まず「就業規則」を確認
法律上は可能でも、勤務先の就業規則で副業・兼業が禁止・制限されていることがあります。ここを飛ばすと、勤務先とのトラブルや懲戒のリスクにつながります。始める前に、就業規則を確認し、必要なら勤務先に相談・許可を得ておくのが安全です。順番を間違えないことが、いちばんの注意点です。
公務員は、原則むずかしい
一方で、公務員の方は注意が必要です。国家公務員法・地方公務員法は、営利企業への従事などを制限しており、在職中に行政書士として開業(業務)を行うことは原則としてむずかしいとされています。退職後に始めるのが基本線です。個別の可否や例外はケースによるので、断定はしません。該当する方は、所属先の規程や所属予定の行政書士会に必ず確認してください。
「登録」する以上、副業でも義務とコストはかかる
見落としがちなのが、ここです。行政書士は名簿に登録して開業する仕事なので、副業であっても「登録した以上」は通常の義務が生じます。主なものを挙げます。
- 行政書士会への登録・入会と会費(金額は会により異なる。一例として東京会は入会金200,000円・登録手数料25,000円・月会費6,000円)
- 報酬額の掲示義務(行政書士法第10条の2第1項)
- 守秘義務(行政書士法第12条)——副業でも当然に負います
- 税務署への開業届の提出
- 確定申告(給与以外の所得が年20万円を超えると、原則として自分で申告が必要)
つまり「登録だけして寝かせておく」でも、会費という固定費はかかります。副業として始めるなら、この維持コストを回収できる見込みがあるかを、最初に考えておきたいところです。

それでも「兼業スタート」が向いている理由
コストや手間はありますが、50代からの開業と兼業は相性が良いです。収入の柱を残したまま始められるので、売上が立つまでの時間をお金の不安なく走れます。前職の知識や人脈が、そのまま業務の入口になることも多い。いきなり全部を賭けるのではなく、小さく試して、手応えを見ながら本業に移していく——この進め方ができるのが、兼業の一番の強みです。
見落としがちな注意点
現実的なハードルもあります。役所の窓口対応や打ち合わせは平日の日中が中心で、勤務との両立に工夫が要ります。前職と関わる分野を扱う場合は、利益相反や情報の扱いにも注意が必要です。時間も体力も有限なので、最初から手を広げすぎないこと。ここでも「入口を絞って小さく」が効いてきます。
お金まわりを、先に知っておく
兼業で最初につまずきやすいのが、確定申告や経費といった「お金の手続き」です。むずかしく考えすぎず、入門書を一冊持っておくと安心です(楽天でもAmazonでも、お好きな方でどうぞ)。

まとめ
会社員の副業としてなら、行政書士は始められます。ただし就業規則の確認は必須で、公務員は原則むずかしい。そして登録する以上、副業でも会費や守秘義務などの義務がついてきます。それでも、収入の柱を残して小さく始められる兼業は、50代からの開業ととても相性が良い進め方です。まずは足元を確認して、無理のない一歩から始めてみてください。
——ヒロやん

