行政書士の収入・報酬のリアル|「稼げる?」に統計と実感で正直に答えます

水彩イラスト:中高年が窓辺の机で電卓とノートを前に収支を考える朝の情景
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「行政書士って、実際いくら稼げるんですか?」——開業を考えるとき、いちばん知りたいのに、いちばん人によって答えが違うのがこのお金の話です。ここでは、公式の統計で分かる「報酬の相場」と、収入が人によって大きく変わる理由を、できるだけ正直にお話しします。

まず前提:行政書士の「収入」は人によってまるで違う

先に大事なことを言うと、行政書士の収入に「これが平均です」と言い切れる一つの数字はありません。ネットでは「平均年収◯◯万円」という数字をよく見かけますが、多くは調査対象や算出方法がまちまちの推計です。副業的に少数の案件を扱う人から、専門分野で法人顧客を多く抱える人まで、幅がとても広い——これが実態に近い言い方です。

「報酬」には公式の統計がある

一方で、業務ごとの「報酬額」には、公的な裏づけのある統計があります。行政書士法第10条の2は、第1項で「事務所の見やすい場所に報酬額を掲示しなければならない」と定め、第2項で行政書士会・日本行政書士会連合会が報酬額について「統計を作成し、これを公表するよう努めなければならない」としています(努力規定)。これに基づき、日行連は5年に1度、全国的な報酬額統計調査を行い、公表しています。

業務でこんなに違う──報酬額の例(令和7年度統計)

実際の平均額を、日行連「令和7年度報酬額統計調査」からいくつか見てみます。

机に書類・ペン・電卓・コインを並べた水彩イラスト
報酬は業務ごとに幅がある。まずは相場を知ることから。
業務平均額回答者数
自動車保管場所証明(車庫証明)の作成13,428円315
農地法第5条許可申請120,186円501
建設業許可申請(新規・知事・一般)132,040円373
風俗営業許可申請(1号 社交飲食店・料理店)166,092円87

同じ「1件」でも、車庫証明のように1万円台のものから、許認可のように十数万円のものまで幅があります。統計にはこのほかにも多くの業務が載っています。※金額は消費税を含み、立替金は含みません。また日行連も「同一業務でも、具体的な取扱い内容によって報酬額には大きな差が生じる」と注意書きをしています。あくまで目安として見てください。

なぜ「年収」はこんなに幅が出るのか

報酬の相場が分かっても、年収はそのまま決まりません。年収はざっくり「単価 × 件数 × 続けられる期間」で動くからです。単価の高い分野を持てるか、その依頼を継続的に受けられるか、リピートや紹介がまわるか——ここで大きく差がつきます。同じ資格でも、選ぶ業務と営業のかたちで、結果がまるで変わるのが行政書士という仕事です。

新緑の中で芽が育つ水彩イラスト
収入は「単価×件数×継続」で、少しずつ積み上がる。

正直な話:最初から高収入は、ふつう難しい

開業してすぐ高い年収になる人は、多くありません。最初は認知も実績もゼロからで、単価の低い業務や、時間のかかる案件から積み上げていくのが現実的です。逆に言えば、続けるほど相場観・段取り・信用が育ち、単価も件数も上げやすくなります。お金の面でも、この仕事は「短距離走」ではなく「積み上げ」です。

収入を上げる、現実的な方向

現実的に効くのは、第一に自分の経験が活きる分野に絞って相場観を持つこと、第二に一度きりで終わらせず、更新や関連業務でリピートにつなげること、第三に「安く受けすぎない」こと。掲示義務があるとおり、報酬は自分で決めて明示するものです。相場(統計)を知ったうえで、安売りに逃げない値決めが、長い目で収入を支えます。

参考になる一冊

収入や受任のつくり方は、先に歩いた人の本から学ぶのが近道です。私自身が参考になったものを挙げておきます(楽天でもAmazonでも、お好きな方でどうぞ)。

年商1000万円をめざす ひとり行政書士の開業・集客・受任ガイド

書籍『年商1000万円をめざす ひとり行政書士の開業・集客・受任ガイド』

一人で開業する人が、どう仕事を受け、どう続けていくか。収入づくりの現実的な流れを、順を追って学べる一冊です。

行政書士 開業初月から100万円稼いだ 超・営業法

書籍『「行政書士」開業初月から100万円稼いだ 超・営業法』

営業が苦手でも動けるように、集客と受任の考え方をまとめた読み物。刺激的なタイトルですが、営業の型を知る一冊として。

まとめ

行政書士の収入は「人による」が正直な答えですが、報酬の相場は統計で確かめられます。業務によって単価は大きく異なり、年収は単価×件数×継続で積み上がっていきます。最初から大きく稼ぐより、続けながら単価と信用を育てる——その現実を知って始めれば、お金の不安とも冷静に付き合えます。

あわせて読みたい開業準備の全体像は、別記事「50代から行政書士で開業する完全ガイド|準備のすべてと“やっていける”自信のつけ方」にまとめています。

——ヒロやん